君だけに
「どうだろう?」
最後に西野の顔色を窺うように言うと、
「うん。可能だと思う。喜ぶよ、菜穂」
そう笑顔で言ってくれた。
西野がいいと言ってくれるなら、まずは一安心だ。
女の子に肯定されると、少し頼れる自分になった気がする。
「早速打ち合わせしないとね。いつが都合いい?」
西野はバッグからサッとスケジュール帳とボールペンを取り出した。
俺は携帯を手帳代わりにしているから、カレンダーを開いて突き合わせて予定を組む。
「よしっ。20日水曜の午後4時からだね。場所わかる?」
俺は頷く。
「それまでに俺のほうでしといたほうがいいことあるかな?」
「じゃあ資料送らせてもらうよ。それ見て、イメージ膨らまといてもらえれば早いと思う」
「わかった」