Home*Love~始まりはキス~【完全版】
「え?お母さん、話って何?」
今日はいつもと違う朝だった。
目覚ましは携帯のアラームじゃなくてお母さんからの電話。
“…そぅ、鈴子にちょっと相談したい事があるのょ。あ、新しい仕事は見つかりそう?”
と、母はため息混じりでそう答える。
何、この朝から暗いトーンは。
いつも楽天的で陽気な母だから珍しい。
「まだ何も決まってないよ。昨日で仕事終わって今日から有給消化だから休みなの。相談って?」
寝室のベッドに腰掛けながら
私は窓から見える真っ青な青空を見上げていた。
「そう…ちゃんと会って話すから、ごめんね鈴。」
と、暗いトーンのお母さん。
だ、大丈夫かしら?
「どうしたの…」
きっとお父さんと喧嘩でもしたんだ。
ふうっとため息をついたその時だった。
ピンポーンと呼び鈴が鳴ったのは。
今日はなんだか落ち着かないそわそわとした1日だ。
「ごめん、お母さんちょっと誰か来たみたい。あとで話し聞くからね。」
私は電話を切った後、小走りでインターホンがあるリビングに向かった。
「はい、どちら様でしょうか?」