*JEWELRY BOX*
*第1章 天敵*
『えぇっ?また告ってきたの?アイツ』
『うん。今日はね〜、朝に下駄箱の前で1回と、お昼休みに1回だからー…えっと……2回だね。』
『いやいや、そこそんなに考えるとこじゃないから。毎日大変だね〜"マドンナ"も』
『楽しそうに言わないでよ!はぁ…アイツのおかげで毎日遅刻ギリギリ登校だよ〜…』
と、泣きべそをかくあたし見て、
『いや、まず遅刻ギリギリに来るな。
余裕をもって来い。余裕を。』
と冷静にツッこむ瀬菜。ご、ごもっとも…
はぁ…とわざとらしく
大きなため息をついて、
飲むヨーグルトを飲む瀬菜。
『まあ"毎日"だしあたしはもう
見慣れちゃったけどね。それで?いつもの通り断ったんでしょ?』
『う、うん。もちろん"今日も"
丁重にお断りしました』
『それにしてもよく懲りないよね!
どんだけ好かれてだお前は!羨ましいよまったく〜』
嘘だ。全然羨ましいなんて思ってない。
だって言葉に魂がこもってない。
誰から見ても棒読みだってバレてる。
…あ、ほら、白目向いてるもん。笑
『白目向きながら羨ましいって言われても嬉しくないし!もうっ!
他人事みたいに言わないでよね!
結構返しに困るっていうか…はぁ…』
と、ムクれて見せるが
"だって他人事だもーん"と、
鼻をホジる真似をして
鼻クソを飛ばすそぶりをしてくる。
吹き出しそうになりながらも
頑張って堪えるあたしに
変顔をして追い討ちをかける瀬菜。
…毎日がバトルだ。