*JEWELRY BOX*






その"夜の健全な遊び"には次第に
集まる人数も増えていった。
入りたい人は来たらいい。
来たくない人は来なくていい。まさに
"来るもの拒まず、去るもの追わず"。





来たら軽く自己紹介をして
気の合いそうな子の所へ行って
帰りたい時間になるまで楽しく話す。
そんなあたし達のグループは
いつの間にか女の子の方が多くなり、
次第に女の子限定となって
巷(ちまた)ではレディースとして
ちょっとだけ有名になっていた。






高松 瀬菜(タカマツ セナ)
瀬菜とは地元も学校も違うけれど、
夜になるとよく遊びに来てくれていて
中学の頃から仲が良かった。






あたしと瀬菜はまるで、そう。
双子のような関係にまでなっていた。
お互いがいないと本当につまらなくて、
なにに対してもやる気が出ない。
イライラするポイントや、笑うタイミング、
考えていることが同じだったり、
特にめんどくさいことが大嫌い。






あたしと瀬菜が初めて意気投合した話が、
喧嘩とか個人の好き嫌いだけで
他人に嫌がらせをしたりする人の気持ちが
まず分からないし、ほんっとにくだらない!
…というものだった。






『まあ楽しいくだらなさは大好きだけど!』





と言って笑う瀬菜をあたしは
一番近い存在に感じていた。






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