*JEWELRY BOX*






瀬菜が言う"アイツ" は
一つ上の先輩で、あたし達が
中学3の頃から告ってくる迷惑…
……じゃなくて、一途な人だ。






『でもさでもさ、アイツの言う通り、そろそろ新しい恋してもいいと思うよ?アンタも気になってるんでしょ?アイツのこと』






『なっ…!やめてよ瀬菜!あたしはそんなんじゃ…』






"否定しても無駄だよ〜ん"
と、指先で口元を隠しながら
ニヤニヤしてくる瀬菜が
とてつもな〜く気持ち悪くて怖くなる。






…確かに、まだみんなでバカやってた時は
すっごく楽しかったよ。でも"アイツ"が
あたしに告ってくるようになってからは
遊んだりとかそういう機会も
だんだん減っていったし、
…むしろ口もきいてなかった。






『あの頃に戻りたいなぁ…』






ボソッと呟いたのが聞こえたのか
瀬菜は突然立ち上がって、






『まぁあの頃みたいにとは行かないけどさ!今日あたしん家で遊ぼーよ!梓も来るし〜!ほかに誰か呼んじゃおっか!』






と、楽しそうに言う。
梓は瀬菜の彼氏で、あたし達が言う
"あの頃"によく集まって遊んでいた
うちの一人だ。






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