獣恋道-恋はいつでも獣道-
「な、なんであんたここにいんのよ!?」
「なんでって、俺の学校このへんだし」
へ?そっか…実家が池袋ならこのへんの高校いっててもおかしくない。
しかも、制服だし。
軽く緩められたネクタイと程よく腰ばきされたズボン。
スタイルがいいせいか、着こなしは文句なし…。
「あっそ。なんで声かけてくるかな」
時刻はまだ16時半。
見渡せば、高校生の姿がチラホラ。
悔しいが、若さを感じる…。
「だって俺たちトモダチじゃん」
「は?」
「それより、千雪さんも学校帰り?」
あっ笑った顔、篤志に似てるかも…。
「そうだよ。今から買い物するから、じゃあね」
関わるとロクなことないと瞬時に判断し、別れを告げた。
が、しかし、
「ちょうどいいじゃん。俺も買い物したいし」
また、あの特有の甘い香りがあたしを包囲した。