獣恋道-恋はいつでも獣道-
「…篤志」
「休むなら、連絡してほしかった。体調大丈夫?」
ドアフォンに写った顔をみて、あたしは慌てて扉を開けた。
心配してかけつけてくれた、篤志がいたから。
「ごめん、ね」
篤志に連絡を入れないなんて、普段のあたしじゃ考えられない。
これも全部全部あいつのせい、だよ…
「顔色悪いな、寝てなよ。お粥つくるから」
「え、でも…」
「病人はおとなしくしとかないとダメ」
優しい表情を見せる篤志に涙ぐむ。