獣恋道-恋はいつでも獣道-


そのとき、力強く後ろから抱きしめられた。

もちろん、その正体は英志くんしかありえないわけで。



「英志くん…!?」


「千雪さん…泣いてる」


え…まるで、自分も悲しむような声色。


そして、今度は目元に長くてキレイな指が伸びてくる。


「ばっかじゃねーの」


「…え」


「兄貴に傷つけられたんじゃねえの」


「なんで、決めつけんのよ…」


必死に強がったって、涙が物語ってる。

< 63 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop