獣恋道-恋はいつでも獣道-
そのとき、力強く後ろから抱きしめられた。
もちろん、その正体は英志くんしかありえないわけで。
「英志くん…!?」
「千雪さん…泣いてる」
え…まるで、自分も悲しむような声色。
そして、今度は目元に長くてキレイな指が伸びてくる。
「ばっかじゃねーの」
「…え」
「兄貴に傷つけられたんじゃねえの」
「なんで、決めつけんのよ…」
必死に強がったって、涙が物語ってる。
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