獣恋道-恋はいつでも獣道-
「…まだ、あいつが好きなわけ?」
涙を拭われ、真っ直ぐに降り注がれる視線から目をそらせない。
なんて、力強い瞳なんだろう。
篤志と、全然違う。
「わかんないっ、だけど、篤志には…」
「だから、言ったじゃん」
「んっ」
なんでキス、するの!?
ガッチリと体を押さえこまれて抵抗できない。
「いっ…」
しかも、上唇を噛んできた。なんて、意地悪なキス…。
「利用しろよ、俺を」
「はっ?」
離された唇、そして第一声がそれだった。