恋愛上等 あんたなんか大っ嫌い

思わず目をそらし、後ろを向く。

「…キス、したい?」
ビクッ

いきなりの怜架の声に心臓が大きくはねた。

「おおおお、起きてたの!?」
「キスしたげに触られたら男なら起きるよ」

最悪ーっ
もう死にてぇぐらい恥ずかしい;

「で、する?」
「なにを…?」

あー心臓の音がうるせぇ。
なんでこんなにドキドキしなきゃいけないんだよ!

「だから……キス」
ビクッ

後ろから抱きつかれ耳元でささやいた。

イライラする。
頭ん中がこいつのせいでグルグルしてる。
それが…
ひどくむかつく。

「だ、誰がするか!このキモウンコ!」

そう言い捨てて屋上を飛び出した。

あんな奴くそだ!ウンコ以下だ!
なんでそんな奴に振り回されなきゃなんないんだよ!!

ムカつくムカつくムカつく!



「…キモウンコか」
屋上に取り残された怜架。

「俺、マジになったかも……いや、あり得ねぇーか;」
俺があんな奴を好きになるわけねぇな……。

あれはただのオモチャだ。
< 12 / 23 >

この作品をシェア

pagetop