恋愛上等 あんたなんか大っ嫌い
だって、今日の私は
黒髪は前の色、つまり茶色になっているし
あのダサい眼鏡もかけていない。
「俺の婚約者」
「違います」
確かに昨日の挨拶で正式に婚約者となった。
だが、私自身がそれを認めていない。
こんな奴の婚約者だということを…
「別に知らなくてもいいんじゃない?私もあんたなんかに知られたくねぇし」
そう言った私をすかさず睨む。
あー、こわいこわい;
ケバイ顔がゆがんでひどい顔になってる;
「あんた、一条君のなんなの?」
はい、困りました。
この質問は一体何て答えればいいのだろうか。
婚約者は違うし、恋人も違うな。そもそも愛してないし。
じゃあ、知り合い?
「ちょっと、黙ってないでなんか言いなさいよ!」
「…じゃあ、知り合い以上恋人未満。ただし、友達ではないっかな?」
これが一番正しい。
「おい、どういうことかな?美影さん」
どういうことって言われても…;
てか、笑ってるけど目が笑ってない。
怖いです…
後で覚えてろって目で伝えてきてる;
マジ怖っ
「美影って…」
しばらく黙っていた女が口を開いた。
「ダサ子ーー!?」
「ご明察!」
明るく答えてみた。
周りの人たちが女の声でこっちを見た。