恋愛上等 あんたなんか大っ嫌い

過去と未来


霧島 零(キリシマレイ)

あいつは私のすべてだった。

一つ年上のあいつはお兄ちゃんのような存在だった。

もしかしたら、憧れじゃなく恋をしていたのかもしれない。


ドウシテ…

あいつは私を置いて逝ってしまったの。
私がいけないの?

そうだ。私さえいなければ……

_____________

五年前

いつだかは覚えてない。
けど、その日は晴れていた。

私はあいつと一緒に夕方公園へ毎日言っていた。
家はしばらくごたごたとしていて落ち着かなかったから…。

「そろそろ戻ろうか、美影」

「…嫌」

なぜこの時に帰らなかったのかをずっと後悔してきた。
そうすれば彼は死なずに済んだ。


もう暗くなった公園でブランコに乗って遊ぶ。
ベンチに座りそれをじっと見守る零。

「そろそろ帰ろう」

「もう少し」

ブランコのあるところは道路に面していた。
あまり車の通らない。


キィ…キィ…

ブランコの揺れる音が響く。
冷たい風が木を揺らす。

「…ッ美影!」


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