恋愛上等 あんたなんか大っ嫌い
過去と未来
霧島 零(キリシマレイ)
あいつは私のすべてだった。
一つ年上のあいつはお兄ちゃんのような存在だった。
もしかしたら、憧れじゃなく恋をしていたのかもしれない。
ドウシテ…
あいつは私を置いて逝ってしまったの。
私がいけないの?
そうだ。私さえいなければ……
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五年前
いつだかは覚えてない。
けど、その日は晴れていた。
私はあいつと一緒に夕方公園へ毎日言っていた。
家はしばらくごたごたとしていて落ち着かなかったから…。
「そろそろ戻ろうか、美影」
「…嫌」
なぜこの時に帰らなかったのかをずっと後悔してきた。
そうすれば彼は死なずに済んだ。
もう暗くなった公園でブランコに乗って遊ぶ。
ベンチに座りそれをじっと見守る零。
「そろそろ帰ろう」
「もう少し」
ブランコのあるところは道路に面していた。
あまり車の通らない。
キィ…キィ…
ブランコの揺れる音が響く。
冷たい風が木を揺らす。
「…ッ美影!」