恋愛上等 あんたなんか大っ嫌い
彼の声はものすごい音にかき消され耳に届くことはなかった。
私は彼によって、突っ込んできた車から逃れることができた。
だが、それによって彼は返らぬ人となった。
飛び散り、広がる紅い血。
「…零?」
声が震える。
どうして……
私が悪いの…?
私が………
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「……零」
保健室のベットで寝ている美影の目から一筋の涙が流れた
「………零って誰だよ」
怜架が美影の手を握っている。
まだ夢の中にいる美影。
起きる気配がない。
保健室内が静まり返っている。
「目、覚ませよ……」