おいちゃんまだまだ大丈夫と水道の蛇口
今野さん
目覚まし時計で、目が覚めた。
喉が渇いて、冷蔵庫から水を取り出しペットボトルに口をつけて飲んだ。
手首に昨日老人からもらったブレスレットついている。
良く見るとどこにでもある安ぼい物だった。
ブレスレットは、銀色だったがおそらくメッキだろう。安物だった。
「きっかけね。水道の蛇口か。」
俺は、呟いた。
昨日の老人の言葉が断片的に、脳裏浮かぶ。
『きっかけ』
『水道の蛇口』
『あなたに水道が普及してなければ』
俺は、少し気分が高揚した。
今日は、休みで美容院へカットに行く日だった。