誠姫
「異国・・・?いや、私日本人ですけど」
「じゃあその着物は何だ」
言って姫芽の着るセーラー服を指差した。
「いや、何だって言われてもこれはマリアナの制服だけど・・・」
「制服?女がそんな足を出していいと思ってるのか」
チェックのスカートは膝上で少し短め。
だが、クラスにはまだ短い子は沢山いた。
校則には引っかからない長さである。
「別に貴方には関係ないわ。貴方達こそ、いつも和服を着ているの?」
「他に何を着れという」
「別に沢山あるじゃない。Tシャツやジーンズ、パーカーとか・・・もう説明するのも面倒だわ」
途中で投げやりになる姫芽に対し、三人は首を傾げた。
「とにかくね、私は早く家に帰りたいの。父様を呼んで」
大袈裟なため息と同時に正座をしていた足を崩す。
だが、「お前の親父など知らん」との声。
「はあ?父様とグルなんじゃないの?」
「意味が分からんことを言うな」