誠姫
予想外の姫芽の言葉に驚き、思わず筆を浮かせ、振り向いた。
「っはあ!?何で俺がんなこと・・・」
「悠はしてくれるわ」
「・・・・悠?」
「いつも私の一番近くに居てくれる人よ。両親よりも一番近くに・・・」
そう言った姫芽の顔は、どこか悲しく、崩れそうだった。
「そいつは、お前が寝るまで側に居てくれるのか?」
「えぇ、そうよ」
しんみりとした夜の空気。
土方はそれを壊すかのように、笑い話に変えた。
「餓鬼か、てめーは」
「うるさいわね」
月明かりとは関係なく、顔を少しばかり赤く染める姫芽。