誠姫
そんな中、またもや土方にとって厄介者が現れた。
「ふーん姫芽ちゃん暇なんだ?」
「沖田さん!!」
まるで味方がやってきたとでも言うように、土方の部屋に入る一歩手前に立つ沖田へと輝かせた目を向けた。
「暇なんです!!土方が相手してくれないから」
「わー土方さんいけませんよ。自称姫をほったらかしにしちゃ」
完全棒読みで期待はずれのの台詞を出す沖田に姫芽の不満が大声となった。
「自称じゃないわよ!」
「はいはい。で?どのくらい暇なの?」
「もう死にそうなくらいよ」
「だったら死んじゃえばいい」
黒い光を放つ沖田の笑顔に、ぞくぞくと背筋が凍った。
「なっ……じょ、冗談に決まってるでしょう。どうして通じないの?」
「あはっ君こそ僕の冗談通じてないみたいだね」
「えぇ!?あ、あなたの冗談は冗談に聞こえないのよ」
そんなくだらない会話を無理矢理聞かされていた土方は、そろそろと眉間に皺を寄せて口を開いた。