使者の黙示録

・現れた使者

数日後――

占い師の女性は

シスター・マヤを占ったときと同じ場所で、机を前にして座っている。

最近占ったそのシスターのことが、どうも気になる。


(このままでは、彼女は…)


確実に命を落とすだろう。


シスター・マヤの心配をしている最中に

いきなり、彼女の頭のなかで、ピキーンと目が覚めるような閃きを感じる。

それは、世の中に変革をもたらす運命を背負う人間が、近くにいることを知らせている。


夢から現実に引きもどされたようにハッとした彼女は

道行く人の誰が、それほどの運命を背負っているのか、心の目で探そうとする。

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