使者の黙示録
それは、文字というより記号といった方が良いかも知れない。

いずれにしろ、その文字は占い師である彼女しか、見ることも読むことも出来ないものだ。


(これは…)


彼女が集中して、それを頭のなかで読んでいるとき

「まさか!」と驚愕するような言葉が、団司の口から出てくる。


「へえ、おもしろいね。なんて書いてあるの?」


団司の声に、ガバッと顔を上げた彼女は

驚きの表情をそのままに、団司に尋ねた。


「あ、あなたには、この文字が見えるのか?」


団司は当たりまえのように


「うん」


と、うなずくのだった。

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