使者の黙示録
彼女の話によると

その昔、神からの声を聞いた彼女の一族の先祖は

人の未来を知ることができるという、特殊な能力をさずかったらしい。


「私の一族は、その能力を占いという仕事に使い、代々引き継いでいるんだ」


彼女の話に、団司はおとぎ話でも聞くかのような顔をして楽しんでいる。


「私の一族とは関係のないあなたが、この文字を見ることができるのは」


彼女の確たる自信が、顔にも言葉にも表れる。


「あなたが、神と直接に関わりを持つからだ」


話を聞く団司は

笑顔のままで黙っているというより、固まっている。

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