使者の黙示録
ルゼは、いちるの望みにしがみつくような想いを言葉に表わす。


「あなたがやるべき事を成せるかどうかで、人類の未来は変わると思うのだが?」


団司はなにも言わない。


「あなたは、この神の言葉を誰にも話していないのか?」

「うん」

「なぜだ!」


団司の返事に、ルゼは憤る。


「人類の絶滅を予言する神の言葉を、なぜあなたは誰にも伝えないっ」


彼女は、怒りのこもった想いを団司にぶつける。


「あなたは、この神の言葉を、自分だけの黙示録にするつもりなのか!?」


団司はなにも語らず、右手を布きれからゆっくりと離してゆく。

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