使者の黙示録
「あのシスター、可愛いよね!」


そう言う団司の声は、嬉しそうに弾んでいる。


(こ、この男はっ)


先ほどまで、シリアスに自分と言葉を交わしていた団司の、その変わりように

「ふざけた野郎だ!」と言いたくなったルゼである。


しかし、彼女は即座に気をとり直す。

これから話すことは、いいかげんな話ではないのだ。


「そのシスターのことだが」

「あの子が、どうかしたの?」


ルゼの顔に、暗い陰が落ちる。


「彼女には、死線が迫っている」


その直後

団司の顔から笑みが消える。

< 134 / 357 >

この作品をシェア

pagetop