使者の黙示録
団司はシスター・マヤの方へ振りかえり、彼女のまえで片膝をつくと

彼女の胸のあたり、数センチ離れたところで右手の掌をかざす。

その状態で静かに目を閉じた団司の姿を

不意に目をあけたメグが、じっと見つめる。


3人しかいない路地は

華やかににぎわうアーケードとは逆に、とても寂しげであり

そんな場所に漂う暗い雰囲気が、メグの不安をかり立てる。


死病に侵(おか)されたシスター・マヤと、彼女を助けようとする団司の2人を

メグが心配そうに見守るなかで

まず、団司の状態に変化が現れる。

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