使者の黙示録
シスター・マヤの体の前で

ただ、右手の掌をかざしているだけにしか見えない団司であるが

しばらくすると、額から大量の汗がドッと吹き出てくる。



団司がメグに話したことは、嘘ではない。

団司は己のなかに神を迎え入れると、その神に祈り

ラドレア病を癒すための、目には見えない神の光を

右手の掌からシスター・マヤに向けて放射する。


身体に力を入れている様子は、まったくない。

しかし、その集中力は極限に達しているかのように半端ではなく

メグの目は、そんな団司の姿に吸い込まれるように、釘付けとなる。

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