使者の黙示録
一方、シスター・マヤは

眠っている意識のなかで、心にひびく何者かの声を聞いていた。


『神よ……光を……』

(だれ?)


シスター・マヤは、その声に心の耳をかたむける。


『神よ、どうかシスターを救うためのあなたの力を、あなたの光を、このシスターに…』

(私を…救う?)


聞き覚えのある声が、シスター・マヤのために神に祈っている。


眠れる意識のなかにあるシスター・マヤは

いまの自分の身体が、どういう状態にあるのか分からない。

彼女は、彼女のために祈りを捧げる声に、ただただ惹かれてゆく。

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