使者の黙示録
シスター・マヤは、間違いないと確信する。


「気を失っているとき、あなたの声が心のなかに聞こえてきました」


団司は、にこやかな笑顔で彼女の話を黙って聞いている。


「自分の命をかけてまで私を助けようと神様に祈る、あなたの声が」


笑顔を崩すことのない団司は

その顔をはずかしそうに下に向ける。

一般人が見れば「子どもか!」と、突っ込みたくなるような団司に

シスター・マヤは言葉を続ける。


「どうして、そこまでして私を助けてくれたのですか?」

「そこまで?」


団司が不意に顔をあげた。

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