使者の黙示録
野瀬が、連絡してきた部下に応答する。


「俺だ。どうした」

「すみません、ヤツを見失いました」

(おまえが!?)


まがりなりにも、裏社会に生きる危険な人物や組織を調査する人間が

それも、野瀬の片腕といえるほどの部下が

裏社会を知らない一般人に尾行をまかれるなど、野瀬には考えられない。


(やはり、ただ者ではないということか)


野瀬は、その部下に引き上げるように指示をだすと

自分たちも団司の部屋からすぐに立ち去る。


(かくなる上は…)


野瀬は、団司を尾行するのは自分でなければならないことを悟るのだった。

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