使者の黙示録
数時間後――

団司は、まだパチンコのホールのなかにいる。

座っている椅子の後ろに、ドル箱1杯分の出玉が置かれ

そういう状態で団司の時間はずっと流れて行き、いまは昼を過ぎている。


その間、野瀬はホールの最寄りの喫茶店や本屋、ドラッグストアなどをぐるぐると廻りながら

団司が動くのを待っている。


(昼メシも食べずに打ち続けるのか?)


毎日、朝からパチンコに出向く人間にすれば、珍しいことではない。

ときおり、野瀬からホールにいる見張り人に連絡を入れるが

別段、変わった様子はないようだ。

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