使者の黙示録
(とぼけているのか?)


野瀬は、教団の正体を知っているであろう団司の様子を観察する。

団司の目は少女たちから離れず、2人の姿をずっと追っている。


(あの子どもたちを狙っているのか)


いまの団司には、教団のことよりも修道院の少女たちの方に興味があるらしい。

野瀬は、すかさずその少女たちを話題にとり込む。


「あの子たちには、ボディーガードが張りついているようですね」


そうして団司の反応をうかがう。


「優しそうな女性以外は、あの子たちと話すことは出来ないみたいですよ」


それを聞いた団司の目が、キラッと輝いた。

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