使者の黙示録
「教団を敵視する存在があるとすれば、同業者ということになると思いますが」

(確かに)

「そういう同業者が教団を叩こうとすれば、あなた方の顧客が黙っていないでしょう」


そのとおりである。


「同業者の彼らは、そういうことを知っていますから、あなた方に手を出すとは思えません」


それは事実だった。


野瀬が調べていたのは、団司だけではない。

闇の世界に生息する様々な人間や組織を、多くの人員を使って探っていたのだが

教団を失脚させようとする存在は、調べた限り見当たらず

野瀬が違和感を感じるのは、当然であった。

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