使者の黙示録

・焦燥

この日、団司はどこへも行かず、自分の部屋でおとなしくしていた。

団司にしては珍しいことだ。


いつものように、朝からパチンコに行こうと考えていた団司だが

身体がそれに従うことを拒否するかのように、嫌がっている。


(こういうときは、ヘタに動かない方が良さそうだ)


なんとなく、そう思った団司である。


ときおり部屋から外へ出ては、ぐるりと空を見わたす。


(今日も出てないな)


以前、3つのすじ雲の塊が、奇妙な動きをするのを目の当たりにして以来

なにかと空の様子が気になり、無意識にあの日と同じ雲をさがしてしまう。

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