使者の黙示録
顧客たちの話も、幾多のかけ引きを繰り返しながら終息に近づいていた。


「これがギリギリのラインだ。これ以上は妥協できない」

「わかった、いいだろう」


彼らの話が一段落したところで、マザー・アミコは微笑む。


「では、そういうことで」


彼女のひと言が、取引にかかる物々しい話を穏やかに終わらせる。


顧客の1人がタバコを取り出して口にくわえると、部下がそれに火をつける。


「マザーのおかげで、いつも助かっているよ」


もう1人の相手も、タバコを手にしながら言った。


「こっちもだ。なんの心配もなく、仕事を進められる」

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