使者の黙示録
(ならば、私が闇の世界の神になってやろうか。フフフ)


マザー・アミコが心のなかで黒い笑みを浮かべた、そのとき


カチッ…


彼女の胸の奥で、時計の針が動いたような音が響く。

それは、耳に聞こえる音ではない。

心に伝わる波動とでも言えばよいだろうか。


ちょうど同じ時刻に

彼女のはるか上空で台風のように渦巻く、彼女には見えない紫色の雲が

その渦の中心にすべて吸い込まれたことを、彼女は知るよしもない。


冥界の門が開く…

すなわち、「破滅の刻」が訪れたのだ。

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