使者の黙示録
(胸に抱いた使者様が、再び私を治してくれたのだろうか)


シスター・マヤは、本当にそういう気がしてくる。


修道服に着替え終えた彼女は、礼拝堂へ行って神に祈りを捧げたくなった。

階下へ降りると、事務室から出てきたマザー・ミドリに出くわす。


「シスター・マヤ、寝ていなくて大丈夫ですか」

「はい、だいぶ具合が良くなりました。それで、礼拝堂へ行きたいのですが」

「あまり無理をしない方が良いですよ」

「どうしても神様にお祈りしたいのです」


シスター・マヤは見かけによらず

一旦決めた事はなかなか譲らないという、強情なところがある。

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