使者の黙示録
神に祈りを捧げていたシスター・マヤは

ふと、顔をあげて女神の像を見つめる。


(使者様は、どうやって神様と出会ったのだろう)


そのとき

彼女が見ている女神像が、ユラッと揺れる。


(う…)


病み上がりの彼女は、めまいがすると思い

目を閉じながらうつむき、右手でその目をおさえる。


しかし、それはめまいではなく

実際に目の前の景色が揺れたことに、シスター・マヤは気づかない。


「破滅の刻」が訪れた、この瞬間

そのわずかな揺れを前兆として

破壊の王が目を覚ます。

< 278 / 357 >

この作品をシェア

pagetop