使者の黙示録
(この光、どこかで…)


シスター・マヤが、そう思った刹那

その光は、ライフルから発射された弾丸のごとく、彼女の胸を貫いた。


(あ…)


胸から全身にほとばしるショックが、シスター・マヤの意識を奪ってゆく。

だが、彼女の胸に広がるのは痛みではない。


まるで、母親に抱かれて眠る赤ん坊の寝顔を思わせるような安心感が

シスター・マヤの心にどこまでも広がってゆく。


薄れてゆく彼女の意識は

その安心感の奥にある、人間の世界とは次元の異なる世界へ、足をふみ入れる。

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