使者の黙示録
(ここは?)


心地よい温かな空間が、シスター・マヤを迎え入れる。

平和な時間が永遠に流れているような、その世界は

そこにいるだけで、至福の想いに満たされる。


なぜか、とても懐かしい感じがするとともに、自然に涙があふれてくる。


彼女の命が覚えている。

自分はここで愛の遺伝子をさずけられ、そして人間の世界に産まれたのだと。


不意に、シスター・マヤの前方に小さなきらめきを放つ光が現れ

徐々に輝きを増しながら、シスター・マヤをゆっくりと包み込む。


光の中から、慈しみにあふれた声が響く。


『わが子よ…』

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