使者の黙示録
「今日は昼を過ぎてから、なにか不吉なことが起こる予感がしたんだ」


その言葉から始まるルゼの話に、シスター・マヤは驚かされる。


「やはり使者様も、この災害が起こることを…」

「彼は最初から分かっていたようだね。ただ、今日がその日だとは思っていなかったらしい」

「その、冥界の門というのは?」

「冥界の門とは…」


シスター・マヤは、ルゼの語る話に

人類の運命に対する悲嘆な想いが、こみ上げてくる。


「シスター、私たちはこの災害のなかで、よく生きてたと言っていい」


それは紛れもない事実だった。

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