使者の黙示録
シスター・マヤが、せつない顔をしてルゼに問いかける。


「人類は、神様から罰を受けたのでしょうか」

「……」


おそらく、人類を創られた神が、この事態を誰よりも嘆いているに違いない。

ルゼは神に心を寄せたとき

神がそういう想いを抱いているような気がして、ならないのだった。


シスター・マヤがルゼの話に引き込まれ、一心に耳をかたむけていると

彼女たちの近くで、1台のバンがぎごちない動きで停車する。


車のなかから出てきたのは、団司だった。

団司はシスター・マヤを見るなり、その顔をほころばせる。

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