使者の黙示録
それを見たルゼが団司に尋ねる。


「使者よ、あなたの分は?」

「ああ、車のなかにある。自分は、あとで飲むよ」


本当は、団司が自分で飲むはずだったペットボトルの水を

シスター・マヤが目を覚ましたので、彼女に与えたのだが

それを正直に話すと、シスター・マヤが気にかけると思い、適当に答えた団司である。


(この男は、そういう男なのだ)


ルゼは団司の言葉に、さりげない優しさを感じ

そんな彼女は、余計なことは何も言わない。


メグは、よっぽどのどが渇いていたらしく

なかなか凄まじい飲みっぷりである。

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