使者の黙示録
「……」


言葉を失ったまま、瓦礫の塊と化した修道院を見つめるシスター・マヤ。

団司が彼女の傍に、そっと寄りそう。


シスター・マヤは唖然とした顔を団司に向けると、彼に問いかけた。


「あの、みんなは?」


修道院のみんなは、どこに避難しているのか?


シスター・マヤは、そういう意味で団司に尋ねたのだが

団司はその顔に、今までに一度も表したことのない沈痛な表情を浮かべ

ただ下を向いて、何も言わずにいる。

いや、何も言えずにいた。


シスター・マヤは、崩壊した修道院へゆっくりと歩みよる。


「みんなを助けなきゃ…」

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