使者の黙示録
団司の左側に、ルゼが静かにならぶ。

そして彼女は、予言者の誇りをのせた視線を団司に向ける。


「あなたが神から受けた使命が、やっと分かったよ」


それを聞いた団司が、驚いたようにルゼに目を移せば

ルゼは、落ちついた微笑みを団司に送る。


「あなたがやるべき事は、シスターを助けることだったんだね」


団司の呆気にとられた顔が、図星だと言っている。


「シスターを中心にして、人類の再生がはじまる。そうだろう?」


団司は、はにかむような笑みを顔に浮かべると

その顔を下に向けて、なにも言わずに押し黙るのだった。

< 317 / 357 >

この作品をシェア

pagetop