使者の黙示録
茅島団司という男は

聞かれたことが正しければ、沈黙をもってそれを肯定することを

ルゼはすでに知っている。


絶滅するはずだった人類は

この地球上で、もう一度やり直すチャンスを神に与えられたのだ。


「使者よ」


ルゼは、もう少し突っ込んだことを団司から聞き出すべく

1つの問いを、軽いかんじで団司に投げてみる。


「あなた以外にも使者はいるのか?」


団司は「うん」と、首をたてに振ると

タバコを一服吸って、思考を巡らすように少し間をとる。


「まあ、いるといっても、両手の指に満たない人数だと思うけどね」

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