使者の黙示録
その教団は

街なかにある事務所も、取引の仲介拠点としていた礼拝堂も、見るかげもなく瓦礫の山となり

生き残った人間は誰もおらず、壊滅状態となる。


マザー・アミコたちの身体は、人としての原型をとどめておらず

その無惨な様は、悪党の最期にふさわしいといえるのかも知れない。


団司は、誰にも話さなかった黙示録をマザー・アミコに伝えていたが

そういう警告も、やはり意味をなさなかった。


ただ、教団が「破滅の刻」を迎えるための引金を引かずとも

遅かれ早かれ、悪に走る別の者たちによって

その引金は引かれることになったであろう。

< 321 / 357 >

この作品をシェア

pagetop