使者の黙示録

・ぬぐえぬ愁い

空が薄暗いために、はっきりとは分からないが

団司の横顔に陰りがさしている。

ルゼには、その理由が分かる。


「修道院のことを気にしているのだろう」


団司は「なぜ分かる?」という想いを、そのまま顔に表す。


団司は、災害が発生するまえに

ルゼと一緒に見ていた冥界の門のメッセージが、何を意味するのかを理解すると

使者としての使命を果たすべく、シスター・マヤのところへ飛んで行く。


修道院の前まで来たときに、団司の足が止まりかける。

そのとき、閃く落雷のごとく直感が走った。


(シスターは、ここにはいない)

< 323 / 357 >

この作品をシェア

pagetop