使者の黙示録

・新たなる時代へ

ルゼの目に映る、もの言わぬ残骸が

彼女に、いまの心境を語らせる。


「私たちは、よく生きのびれたな」

「そうだね。でも」


団司は決して楽観的ではない。


「生き残った自分たちの方が、地獄なのかも知れない」


しばらくの沈黙のあとで、ルゼが再び口をひらく。


「昨日、あなたに聞きそびれたのだが」

「なに?」

「修道院の跡地からここへ来るまでに、道端で何人か倒れていただろう」

「うん」

「外傷のないまま息をひきとったようで、まるで突然死の状態だった」

「そうだね」

「彼らに何が起きたのだろう?」


ルゼが眉をひそめる。

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