使者の黙示録
ラドレア病は、病原体となるような細菌やウイルスは発見されていない。

医者や研究者が、いくら病原体を見つけようとしても、一向に見つからないのだ。

ゆえに、この病に関する研究は、なかなか前に進むことができず

もちろん特効薬も存在しない。

感染が爆発的に広がる伝染病ではないことが

この病の唯一の救いだといえる。


ラドレア病が発病する際には、まず高熱を発して手足の血管にそって湿疹が連なる。

そして手のひらに紫斑が現れる。

同じような病状を呈する病気も、確かにあるのだが

その違いは血液検査等で判断できるという。

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