使者の黙示録
顧客の男は、横目でマザー・アミコの身体を探るように眺める。

どう見ても、40歳を過ぎているとは思えない。

見た目だけでなく、身のこなしも若々しい。

そんな彼女からは、妖艶な色気と相まって

どう猛な野心のエネルギーが、押し寄せるように伝わってくる。

もっとも、それほどの強い野心がなければ

闇の世界で生きて行くことなど出来ないだろう。


「女ばかりの君たちが、この世界でやっていけていることに感心するよ」

「まあ、お上手ですこと」


お世辞を言ったわけではない。

ひとつ間違えば、命のやりとりが即座に始まる世界なのだ。

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