使者の黙示録
びっくりしたシスター・マヤは、ぶつかった男にあやまる。


「ご、ごめんなさいっ」


男は振り向いて、その顔に笑みを浮かべた。


「いや、僕の方こそボーッと突っ立ってて、ごめんね~」


なんとも軽いノリでシスター・マヤに話す、その男は

シスター・マヤから見れば、10才ほど年上に見える。

しかし、平日の真っ昼間のこの時間

ふつうなら、仕事をしているのではないかと思うのだが

その男のボサボサの髪とヨレヨレの服装が

彼が無職だということを、おのずと教えてくれる。


茅島団司である。

< 73 / 357 >

この作品をシェア

pagetop