使者の黙示録
団司の顔から、にこやかな笑みが一気に影をひそめると

シスター・マヤの言葉に大きなショックを受けて愕然となった様子が、彼の全身にあらわれる。

その変わり様に、シスター・マヤはビクッとおののいた。


「シ、シスターは、下劣な人間である私のほどこしなど、受けられないと言うのですか?」


ものすごく悲しそうな目をして話す団司に

シスター・マヤは慌てて言葉を返す。


「い、いえ、私たちは人様からむやみに金品を頂いてはならないと、きつく言われているのです」


団司の思わぬ反応に、彼女も少し動揺する。

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